自己をふりかえる
皆さん、こんにちは。
「プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー」の下枝美千代です。
私はこの時期特有のアレルギー(イネ系)に悩まされているこの頃ですが、皆さん、元気に活動されていますか?
つい最近のこと、担当している専門学校で生徒にワークシートの指導をしている時の話です。
生徒のAさん:「先生、小・中・高校時代のことなんか思い出せないし、思い出したくない・・・」
私:「そうか、思い出したくないんだ・・どんな人にも生きてれば、嫌なことや辛いことがいろいろあるもの
ね」
生徒のAさん:「まあね。自慢できるようなことしてきてないし、何もないよ」
私:「思い出したくないことを思い出すのは辛いことだから、辛いことはしなくてもいいですよ。
この作業は自分の為にやるのであって、人に見せるものではないんです。私は講師だから拝見しますよ。
ただ、今の自分は過去も未来も含めてすべてが自分なんだから、否定する必要はないですね。
「すべてひっくるめての自分」を受けとめることは簡単ではないですが、皆も、クラブ活動や趣味、ア
ルバイト先での上司先輩との場面を思い出してみて、頑張ったこと、長くやってきたこと、得意なこと、
ほめられたこと、感謝されたことがあると思います。
どうですか? そういう場面を思い出してみてほしい。
このワークの目的は、自分の経験を思い出してその中から自分のウリ、強みを探し出すことだからね、
自分ではこんなつまらないことと感じても、その中にある小さな成功例から何かが見えてくることもあ
るからやってほしいんです」
Aさん:「・・・」
この後全員が黙々と、ワークシート作成に励んでくれました。
「自己分析をして、自分のウリを見つけましょう」とよく言われますが、簡単なことではありません。
人は不快な記憶にはふたをしようとする場合があります。
前向きに生きる為にはその必要もあるかもしれませんが、前述したように「すべてひっくるめた自分」
「過去・現在・未来」どの部分も自分であること、これを受け入れ、認めることは、就活はもちろん人生のいろいろな場面で必要です。
少し客観的な目で自分を見つめることで、今まで気づかなかった勝手な思い込みや、人の思いやりに気づくことができるかもしれません。
下枝 美千代(しもえだ みちよ)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント