ある「プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®:匿名」の近況報告
早いもので就職支援現場で10年の経験になります。
雇用情勢の方ですが、私の勤めております就職支援機関の地域は、輝かしい歴史と実績をもつ大商工業都市ではありますが、新規求人が急激に増えることもなく、一方、求職者達にも求職活動に対する熱心さを感じません。
ですから毎日、施設内は閑古鳥が鳴いています。
求職者のみなさんが熱心に訪ねてきていただければ職員・相談員が総力で就職へ結びつける支援体制を用意しているのですが、勿体無い話です。
求職者と申しますと、
①45歳以上
②44歳以下
③大学卒、高校卒で1〜2,3年で離職した者
④既卒未就職の大学生
⑤既卒未就職の高校生
⑥その他(ブランクのあるもの等)
に年齢等で区分できますが、この就職支援機関の場合は、5年位前までは中高年と呼ばれる①の年齢層が圧倒的に多かったのですが、最近は②、③、④が多いようです。
②、③が増加したのは勿論、自己都合(転職希望等)離職もありますが、意外と「会社都合(会社倒産等による)」離職が多いのです。
②の中には大卒も高卒もおられますが、Employability(エンプロイアビリティ:個人の“雇用され得る能力”)に乏しいために次の就職にたどり着くにはどうしても長丁場となります。
この場合、大卒に照準を合わせてみますと結局、大学時代に、大学を幅広い意味で『自己成長の場』にしきれていないし、自分らしい『座標軸』というか卒業後の社会との新しい関係を考えた上での『志』(ぼんやりでもいい)を持った状態で社会の扉を開いて来ていないため、離職時の『ショック』が大きいのです。
この話は長くなりますので、まとめますと、日本の労働人口の年齢層予測及びその担い手から考えても、国を挙げて『学生支援』が急務と思います。
ただ、我々はその支援内容を従来のものと大幅に変える必要があると思います。
私は前職において取締役営業本部長を務めていました。
その当時の経験ですが、面接時に応募者の仕事に対する『志の高さ』の度合いで採否を決めてまいりました。
何故なら『志の高さ』の度合いでその者の『自立の覚悟』が窺えるからです。
即ち、自己PRやエントリーシートの書き方等の応募書類関連や面接対応(模擬面接等)の支援から、大学を如何にして自己成長の場にするか!自分の座標軸の見つけ方!その座標軸をもって社会とどのような関係を築いていくのか!最後に本人の仕事選びの選択と意思決定の援助をして、自信を持って肩を『ポンと叩いて』社会へ送り出してやる。
この一連のSTEPを『就活塾』で講座メニューに落とし込んだらいいと思います。
大学4年(短大なら2年ですが)は、『あっという間』という認識を1年生の入学して間もない時期から『父兄同伴』で植えつける必要があります。
1人の学生(父兄を含めて)を1年次から4年まで通算で支援契約を結んでカリキュラムを組んでもいいと思います。
3〜4ヶ月に1回くらいのスパンで4年間で12回〜16回のカウンセリング(支援)カリキュラムにして、料金は安く設定しないこと。
出資者は親ですし、息子、娘のためなら少々の出費は惜しみません。
ただ、私は学生支援は急務であり継続的な支援が必要であるということと支援内容をSTEP毎に課題を設定して、最終的には自分の座標軸を持ち、高い志と自立の覚悟を持って社会との調和が保てる社会人として送り出せるまでの支援が必要であると思います。
また自分自身もさらに自己研鑽に励む覚悟です。
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